他方当事者の立場にたって考えましょう

 弁護士15年目を迎えましたが、ここ数年、他方当事者の立場を考えていないのではないかと思われる弁護士の訴訟活動を目にすることが増えました。

 具体的には書けませんが、「こうしたら、相手はこうするだろうな」などと、こちらの言動に対して、自分が依頼を受けていない当事者・関係者の反応を予測していないのではないか、ただ自分の依頼者のスピーカーになっているだけではないかと思わせる訴訟活動を多く目にするようになったと思います。

 こうした、他方当事者の立場を考えない訴訟活動は、依頼者受けがどうなのかはわかりませんが、紛争を激化・深化させるだけで、まったく依頼者のためにはなってないと感じます。そしてこうした訴訟活動をする弁護士は、たいてい先の見通しがつけられていないので、裁判も迷走しがちで、つきあわされる方は大変に迷惑です(かといって、勝敗には影響しませんし、させませんが)。

 弁護士の仕事としては、言われたとおりに書面を書いて、法律用語をまぶせば良いので楽なのでしょうが、それで何の成長、何の仕事の喜びがあるのでしょうか。